チャプター 89

ハーディング家の屋敷の混乱に比べれば、病院は静けさと安らぎに満ちた完璧な避難所だった。イザベラはヘンリーにもらったエメラルドのネックレスをうっとりと眺め、両手の中でゆっくり回して光を受け止める。プラチナに深い緑の石が留められ、周囲をダイヤモンドが取り巻くそれは、何百万ドルもの価値がある代物だった。

「ヘンリーがロマンチストじゃないなんて、誰が言ったのかしら……」彼女は鏡を見つめながら、ネックレスを喉元に当ててひそりとつぶやいた。エメラルドは彼女の肌の色にも髪の色にも、驚くほどよく映えた。

ナンシーは計算高い眼差しで、イザベラの虚栄心を観察していた。頼まれもしないのにスマートフォンを取り出し...

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